だけど、トキくんに寄り添いたくて、さっき思わず手を伸ばしてしまった。
そして、拒否されたんだ。それがトキくんに否定をされた、初めての事だった。
「ご、め……なさ……っ」
優しくしてくれたのに、同じように返せなくてごめんなさい――
そんな事を思いながら、ただ悲しく笑うトキくんを見つめるしかない私。トキくんは「謝らないで」と、また、私の頭を撫でた。
「謝らないで。砂那が謝ることなんて、何も無い。砂那が誰にでも優しいのは、充分に知ってるから」
一息着いた後に、私の頭から手を離したトキくんが、私と視線を合わせる。さっきの切ない瞳は、もうそこにはない。
その代わり、トキくんの大きな目が、私をしっかりと射抜いていた。
「謝らなくていい。むしろ、罵ってくれていい。これから俺は……砂那の優しさにつけ込んで、酷いことを言うから」
「え、それって、どういう……?」



