寡黙なトキくんの甘い溺愛


「と、トキくん、今のは〜っ!」



どうやって言い訳しよう!と焦っていると、トキくんが机に顔を伏せて笑っている。クツクツと、噛み殺しているような笑い方……。大笑いしたくて、仕方ないっていう感じの笑い方。



「わ、笑っていいよ……自分でもバカだなって、何となく分かってるから……っ」

「いや、違うよ。バカなんて思ってない」



顔を上げながら、トキくんは私に手招きをする。降参するように、私は大人しく席に座った。

すると、スッと長い手が伸びてきて私の頭に触る。なでなで――その手に優しく撫でられてるのだと気づくと、私の頬は自然に緩んだ。



「トキくんはズルいね。魔法の手を持ってる」

「魔法の手?」

「んー、その手に逆らえないって事かな?」

「……」



自分で言ってて「なんだそれ」と思わず失笑してしまう。

「ごめんね、忘れて」私がそう言ったのと、トキくんが座ったままの私を抱きしめたのは、同じ時だった。