寡黙なトキくんの甘い溺愛


今、話を振られたくない。だって、絶対さっきの事について聞かれるから――と目をつぶった時。



「砂那は俺の事、そんなに見てくれてるの?」

「!」



出来れば聞きたくなかった質問が、遠慮なく私の耳に入ってくる。



「え、え……と、あ、あの……っ」



なんて答えたらいいか分からなくて。もちろん、「好きだから見てる」なんて告白も出来なくて。

私は赤くした顔を見られたくなくて、必死に地面に視線を落とす。



「こっち向いて、砂那」

「や、今は、その……」

「お願いだから」

「っ!」



砂那と呼ぶようになってから、トキくんは前よりも、もっと積極的になった気がする。思ってる事をストレートに口にしてくれるから、以前ほどの距離感がない。縮まってる。確実に。

だから、トキくんを近くに感じる。

私、今までどうやってトキくんと話してたっけ?どうやって目を合わせてたっけ?



「(意識すると、急に分からなくなって来ちゃった……っ!)」