寡黙なトキくんの甘い溺愛


「トキくん、汗……」

「え、汗?」

「うん、だってトキくんが汗だなんて珍しいよ。ドッチのとき以来。プール掃除だって、そんなにかいてなかったのに……あ」


言っていて気づく。私、トキくんの汗事情を、詳しく知りすぎている。

き、キモいよね……!?絶対不審がられたよ、今!

「ごめん、忘れて!」と謝って、私は席を立とうとする。


だけど、私が立ち去るよりも早く、トキくんは私と繋いだままの手に力を込めた。



「待って」

「っ!」



体が固まって、動けない。

心臓がバクバクと動きすぎて、壊れてしまうのかと思ったほど――



「どうして逃げるの?砂那」

「ど、してって……えと、あの……喉、乾いたなぁって……」

「俺のジュースあげる。飲みかけで、良ければだけど……」

「(飲みかけ!?ってことは、つまり……!)」



と邪推をしたところで「じゃなくて」と、私と同じように少し照れた顔をしたトキくんが、話を戻した。