「ねぇ砂那ちゃん。それって愛の告白なの?」
「え!?こ、こくは……!?」
思ってもないことを言われた。だけど私のトキくんへの思いを見透かされたようで、思わず慌てる。
だけど大橋くんは「なわけないかー」と、有難いことに自己完結をしたらしい。大きな荷物を持ち上げたところを見ると、部活に行くのかな。
「好きな人から“ 大事”なんて言われたら、誰でも舞い上がっちゃうよ。程々にしてあげてね、砂那ちゃん」
「え?好きな人?」
誰が、誰を――?
と疑問に思ったところで、トキくんが「大橋、雨が振りそうだぞ」と窓の外を指さす。大橋くんは「ウソ!まじで!?」と慌てた様子で、教室のドアへ足を向けた。
「また明日!」
「う、うん!部活がんばって!」
「ありがとう、砂那ちゃん!」
まるで嵐のような大橋くんを見送り、再びトキくんと向かい合う。その時、トキくんの机に日光がサンサンと降り注いでいた。