「はーい!じゃあ人数もいい感じだから、さっさとプール掃除するよ〜。
アオ、あんたもせっかく来たんだから掃除を手伝ってよ。人手が足りないのよ」
「え〜!」
「砂那もするわよ?」
「やるやるー!!」
アオは掃除道具を持って、また俺と砂那の所へ来た。
そして「俺この高校のこと知らないから、教えて貰いながら掃除してもいい?」と巧妙な手口で、砂那を俺から引き剥がした。
「いいけど……アオくん、本当にいいの?手伝ってもらって」
「いいのいいの!俺は砂那に会うために来たんだから!」
「そっか、ありがとう!」
ニコッと笑う彼女の、果てしない魅力……。アオが少し赤くなって嬉しそうにしている姿を見て、オレはため息をついた。
すると、俺の背後で同じようにため息を着く人物が一人。大橋だ。
「俺とアオくん……キャラ被りしてない?大丈夫?」
「……」
「何か言ってよトキくんー!」
嘆く大橋に、拾ったデッキブラシを投げる。
とりあえず、掃除を終わらせるとするか。