「砂那は、渡さないから」
「え、と、トキくん!?」
砂那を引っ張ってアオから引き離し、俺の腕の中におさめる。
今まで抱かれていた分、砂那の体がすごく熱くなってる……。気に食わないな。
「俺と柔道って本気?そんなひょろい体で折れちゃわない?」
「……試してみろよ」
「いいよ。試合で存分に楽しませてもらうね」
ニッとアオが笑った時に、銀の髪がキラリと夕日に照らされた。それさえも鬱陶しいと思った俺は、砂那を抱きしめて、砂那の髪を縛っているゴムを見た。
俺があげたゴム……付けてくれてるんだな。
「ありがとう、砂那」
「え、トキくん?何が?」
「……なんでもないよ」
フワッと柔らかい雰囲気に包まれる。さっきまでトゲトゲしていた空気だったのに、砂那が口を開くと一気になごむ。
癒されるって、こういう事なんだろうな。
すると、このときを待っていたかのように、相条さんが手を叩いた。



