寡黙なトキくんの甘い溺愛


相条さんの説明を聞いた俺と大橋。大橋は「さっき俺、背負い投げされたのか」と、やっと理解したようだった。そして俺に「ねぇねぇ」と聞いてくる。



「トキくんって、なんでも出来るんだよね?スポーツ系」

「……だったら?」

「柔道で、あのアオって子に勝ってさ――取り返してきてよ。砂那ちゃんを」

「は!?」



なんで勝負前提なんだよ――そう言い返そうとしたら、近くで話を聞いていた相条さんが「いいわねぇ」なんて面白そうに呟いた。



「アオにも、そろそろ砂那離れしてほしいし……トキくんが柔道でアオに勝ったら、アオはもう砂那にべったりにならないこと。こういう勝負内容でどう?」

「え、ちょっと、しずかちゃん!」



近くで話を聞いていた砂那が、またアオに抱きしめられながら異論を唱えた。