寡黙なトキくんの甘い溺愛


「大橋くん、大丈夫!?」

「え……え!?俺、今、なに!!?飛んだ!?」



砂那と俺が慌てて近寄ると、大橋は元気に混乱していた。そして、どこも怪我がないと分かるとゆっくりと起き上がり、頭に疑問符を浮かべている。

そして視線は――一同、例の男に集まった。

男はまた砂那に引っ付いていて、今度は手を握っている。さすがの俺もこめかみに青筋が入った。

誰だ、お前――?



髪はかなり短くて、だけど銀色?金髪に近い大橋と並ぶと、2人ともすごい派手で目立つ。

身長は……高いな。俺と同じくらいか、少し高いくらいだ。

目つきは悪い。蛇のような眼光の鋭さだ。


男が蛇なら、大橋は蛙か?


未だ状況が掴めていない大橋が、ビビり倒した表情で「砂那ちゃん、その人……」と砂那を見た。

すると砂那も申し訳なさそうに、説明を始める。



「ごめんね、私がもっと早く説明するべきだったのに……。

柊沢 青(ひいらぎざわ あお)くん。柔道を習ってたんだよ。黒帯なの。

自分に迫ってくる物は何でも投げ飛ばしちゃう癖があって……背負い投げが得意、です」



まるで自分の自己紹介のように説明した砂那は、アオとやらに「ほら大橋くんに謝って」と促していた。