寡黙なトキくんの甘い溺愛


少し腹が立ったので、足で水を蹴って大橋にかける。「うわ!」と驚く大橋、そしてそれを見て同じように驚く砂那。




「やったなートキくん!」
「ずぶ濡れになりたいのかよ」




口ケンカをしながら、バシャバシャと水をかけあう俺たちを見て、砂那は笑ったり、眉を下げて心配そうな顔をしていた。


まさに青春――第三者が見れば、きっとそう言う。


飛び跳ねる水が夕日に照らされて、キラキラ輝いている。

そして和やかな三人の笑顔。

だけど――それは簡単に崩れた。



「砂那!」

「え?」

「会いたかった、砂那!!」



ギュッ



いきなりプールの入り口から入ってきて、そして一直線に砂那に近寄り抱きしめる――男。

俺や大橋も知らない男。

ばかりか、知らない制服――他校か?



「おいお前!」
「砂那ちゃん!?待ってて、今助けに、」



俺と大橋が焦る中、抱き着かれたままの砂那は、俺たちを見て力なく笑った。

そして「大丈夫だよ」と一言。