「信用ならない……。新オリの時だって、砂那がどんなけ頑張ってたか知りもしないで、」

「え、トキくん……砂那ちゃんの事、呼び捨てで呼んでるの?」

「(あ、しまった)」



つい口が滑ってしまった。一番面倒な奴にバレたな……。

するとやっぱり大橋は、俺の事を睨んで抗議してきた。



「昨日までは名字出呼んでたよね?昨日、途中から部活を抜けてたと思ったら、トキくん――まさか、砂那ちゃんとプール掃除してたの!?」

「……だったらなんだよ」



砂那を手伝いたかったし、大橋からは逃げたかったし。一石二鳥だった。

けど、大橋は抜け駆けをされたようで気に食わないらしい。尚も、俺を睨んでいる。