「実は俺……今日倉掛さんを見て可愛いなぁって思って……」

「え……あ、ありがとう」

「で、今度……もし良ければ、一緒に帰ってくれると嬉しい。その、たくさん話したいなって思って」

「(え……え!?)」



これは……デート?

いや、ないない。付き合ってないし。

お友達との放課後お遊び?

いや、お友達でもないし……。



「(な、なんて答えればいいの……っ?)」



いい答えが見つけられず黙っていたら、林くんが「あのさ」と手を伸ばす。

その伸ばされた手は、私の腕に伸びてきて……



ギュッ



「(いたっ)」

「深く考えなくていいから!その、友達から、仲良くなりたいなって……!!」



林くんの必死さが、腕から伝わる。強く握りしめられた、私の腕。



「(同い年なはずなのに、少しだけ怖い……っ)」