『大橋くんが一番好きなのは、サッカーでしょ?』

『え、なんで?』

『明日がオリエンテーションで部活が休みになったって、ランニングするくらいサッカーの事を思ってるんでしょ?それって、すごい事だと思う。休みの日もサッカーの事考えて、実際に動けるなんて――大好きじゃないとできないよ』



「って、そんな事を言ってくれんの」

「(すごく言いそう……倉掛さんなら……)」



それこそが彼女の魅力であり可愛さなんだけど……分け隔てなく、誰にでも接している事にモヤモヤする。彼氏じゃないから、嫉妬する資格なんてないけど。



「もう俺さ、一発でオチたよね。そんな事を言ってくれる子、今までなんていなかったもん」

「……本気?」

「うん――本気」



いつもの飄々した感じじゃない。目を見ればわかる。

大橋は――本気だ。