寡黙なトキくんの甘い溺愛







会場に着いて、各クラスの出し物を展示する。俺たち一年C組のアイデアは斬新だと、他クラスから褒められた。

それを聞いて、C組の皆も満更でもないようだった。



「(今が、いいんじゃないか?)」



ハチマキを出すなら、このタイミングだろう。

倉掛さんを見ると、ちょうど俺と目があった。広い体育館みたいな所で、だいぶ遠くにいる倉掛さん。

俺を見つけると小走りで走ってきて、肩で息をしている。



「トキくん……あの……ごめん、私の代わりに、皆に渡してくれないかな?」



そう言った彼女が手に持っていたのは、俺たちが頑張って作ったハチマキだった。



「え、でも、これは、」反論しようとすると、倉掛さんは「お願い」と力なく笑った。