「(こんな事されたら……ますます好きになる)」
惚れた方が負け――なんてよく聞くけど、俺は出会った日から負け続けている気がする。
倉掛さんの魅力に、ずっと充てられていて……。
しっかりしてそうで、こんなに弱い一面があるギャップが、たまらなく愛しく思えた。
「(俺がたまに笑うからって、なんだよ。そんなギャップなんて、倉掛さんに比べたら……)」
そう思った時だった。
「スー……」
「…………ん?」
倉掛さんから体を離す。すると泣き疲れたのか、いつの間にか眠っていた。
「……おやすみ。倉掛さん」
布団をめくると、彼女のポケットから、まだ黄色のハチマキが見えている。
試しに引っ張ってみると、クラス分のハチマキが大量に出て来た。
これをどうやってポケットに納めていたんだ……全然気づかなかった。



