【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~

 チュッと音を立てて二人の唇が重なる。
 触れた部分から甘さが広がり、心と身体を満たしていく。一度だけじゃ足りなくて、二度、三度と回数を重ね、互いを味わうように角度を変えて。熱を分け合うように繰り返す。

 こんなとき、どうしたら良いのかなんて、クララには分からない。分かるのは自分がどうしたいのか、己の気持ちだけだった。


「もっと」


 熱い吐息とともにコーエンが小さくそう漏らす。クララの頭をコーエンが掻き抱くと、シャラッと音を立てて、何かが揺れた。


「ん……こんなの着けてたっけ?」


 言いながらコーエンは、クララの後ろ髪を纏めた髪飾りをそっと触る。


「あぁ、これならさっきヨハネス殿下に戴いて」


 最後の打ち合わせはバタバタしていたし、気づかなかったのだろう。クララはヨハネスに髪飾りを貰った経緯を話す。

 すると、コーエンは眉間にこれでもか、という程皺を刻み、唇をぐっと尖らせた。