「ふふ、あなたじゃ頼りにならないから、自分が王太子の位を得たら、私を妃にしてくださるんですって。素敵よね」
うっとりと目を細めて微笑むレイチェルに、クララは満面の笑みを浮かべる。
(妃にはなりたくないと言ったのはわたし。わたしなんだけれども……!)
きっと、そんなことを言ったって、レイチェルには負け惜しみにしか聞こえないだろう。
クララはレイチェルほど、人より優位に立ちたいとは思わない。勝って優越感に浸りたい等とは思わないタイプだ。
が。
(なんか、この女には負けたくない……)
ふつふつと湧き上がる黒い感情。それはきっと、好ましくないものであり、これまでクララが極力避けてきたものだ。けれど、相手がこんな状態なのだ。たまにはクララも、誰かにぶつかって良いのではなかろうか?
「まぁ、奇遇ですね。わたしのこの髪飾り、ヨハネス殿下からいただいたものですのよ?」
クララはニコリと微笑みながら、そっと背中を指さす。
「なっ、何ですって!?」
するとレイチェルは、分かりやすく怒りの感情を露にし、クララの側へ駆け寄った。
「わたしは断ったのですが、殿下御自らその場で着けられてしまったものですから……。自分では外せませんし、お仕えする殿下以外の男性からの戴きもの。どうしたものかと困っておりました。でも、スチュアート様もフリード殿下からブローチを貰われていますし、わたしも素直に受け取って良いのかもしれませんね」
うっとりと目を細めて微笑むレイチェルに、クララは満面の笑みを浮かべる。
(妃にはなりたくないと言ったのはわたし。わたしなんだけれども……!)
きっと、そんなことを言ったって、レイチェルには負け惜しみにしか聞こえないだろう。
クララはレイチェルほど、人より優位に立ちたいとは思わない。勝って優越感に浸りたい等とは思わないタイプだ。
が。
(なんか、この女には負けたくない……)
ふつふつと湧き上がる黒い感情。それはきっと、好ましくないものであり、これまでクララが極力避けてきたものだ。けれど、相手がこんな状態なのだ。たまにはクララも、誰かにぶつかって良いのではなかろうか?
「まぁ、奇遇ですね。わたしのこの髪飾り、ヨハネス殿下からいただいたものですのよ?」
クララはニコリと微笑みながら、そっと背中を指さす。
「なっ、何ですって!?」
するとレイチェルは、分かりやすく怒りの感情を露にし、クララの側へ駆け寄った。
「わたしは断ったのですが、殿下御自らその場で着けられてしまったものですから……。自分では外せませんし、お仕えする殿下以外の男性からの戴きもの。どうしたものかと困っておりました。でも、スチュアート様もフリード殿下からブローチを貰われていますし、わたしも素直に受け取って良いのかもしれませんね」



