「王太子妃の位に興味がない?そんなバカなこと、信じられるわけがないでしょう?――――――私はね、あの3人のうち、誰が王太子になったってかまわないの。王太子の座を手にした誰かの妃になって、この国一番の女になる。それが私の大望。生きる理由なのよ」
レイチェルはそう言って、誇らしげにドレスの裾を翻す。野望に燃えた瞳。愚かとも思えるような大それた夢。けれど、それをハッキリと口に出せるあたり、この女性は強いのかもしれない。
夢や想いなんて、表明しなければいくらでも逃げ道がある。本気じゃなかったからと言い訳をし、周りからも後ろ指を指されずに済む。レイチェルはその道を己で断った。
(思ったよりもわたし、この方が嫌いじゃないかもしれない)
言い方はきついし、傍から見ればどうかと思う部分もあるが、レイチェルの行動は一本筋が通っている。彼女なりの理念に基づいたものなのだと知った。
互いにこんな立場じゃなかったならば、或いは仲良くなれたかもしれない。
「現に私は、ヨハンだけじゃなくて、フリード殿下を手中に収めているの」
(なに?)
人が態度を軟化していれば、聞き捨てならないセリフが聞こえた。クララが無言で凄むと、レイチェルは胸元をそっと指さす。
「見てよ、このブローチ。フリード殿下からの贈り物なのよ」
「へーーーーーー、そうなんですね?」
前言撤回。
この女は煽り属性の厄介な女だ。クララは眉間に皺を寄せた。
レイチェルはそう言って、誇らしげにドレスの裾を翻す。野望に燃えた瞳。愚かとも思えるような大それた夢。けれど、それをハッキリと口に出せるあたり、この女性は強いのかもしれない。
夢や想いなんて、表明しなければいくらでも逃げ道がある。本気じゃなかったからと言い訳をし、周りからも後ろ指を指されずに済む。レイチェルはその道を己で断った。
(思ったよりもわたし、この方が嫌いじゃないかもしれない)
言い方はきついし、傍から見ればどうかと思う部分もあるが、レイチェルの行動は一本筋が通っている。彼女なりの理念に基づいたものなのだと知った。
互いにこんな立場じゃなかったならば、或いは仲良くなれたかもしれない。
「現に私は、ヨハンだけじゃなくて、フリード殿下を手中に収めているの」
(なに?)
人が態度を軟化していれば、聞き捨てならないセリフが聞こえた。クララが無言で凄むと、レイチェルは胸元をそっと指さす。
「見てよ、このブローチ。フリード殿下からの贈り物なのよ」
「へーーーーーー、そうなんですね?」
前言撤回。
この女は煽り属性の厄介な女だ。クララは眉間に皺を寄せた。



