【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~

(あれ?)


 気づけばクララの頬は真っ赤だった。胸がドキドキ鳴り響き、何だか居た堪れない気持ちになる。


「なっ……クララ!? ダメだからな! 絶対、俺と結婚してくれないと!」


 コーエンが大慌てで、クララの元に跪く。ジェシカがニヤニヤと笑いながら、二人のことを見つめている。クララは思わず口の端を綻ばせた。


「そうだ、クララ! 今から俺とデートしよう!」

「え? デート? 今から?」


 公務は既に終わったが、辺りは薄暗く、出掛けるには向かない時間帯だ。


「ああ。これまで会えなかった分、クララとたくさん一緒に居たい! 俺がどれだけクララのことを想っているか、伝える機会が欲しいんだ!」


 コーエンの必死の形相。何だかとても微笑ましくて、心臓が穏やかにときめく。


「どうしようかなぁ~~?」


 ヤキモキさせられた分、このぐらいの意地悪は許してほしい。それにコーエンだって少しぐらいは危機感を抱くべきだ。
 口の端をニヤニヤさせつつ、クララは颯爽と立ち上がる。


「クララ!」


 追いすがるコーエンを前に、クララはクルリと振り返る。それから満面の笑みを浮かべ、コーエンをギュッと抱き締めるのだった。