「お前はイゾーレを退け、王太子妃になるのだろう? ならば、それ相応の努力が必要だ」
カールはクララから仔猫を取り上げ、フンと大きく鼻を鳴らす。どうやら仔猫がクララを選んだことが不服だったらしい。真剣な表情を浮かべつつ、仔猫に頬擦りをしている。
(にゃんこを愛でながらそんなことを言われてもねぇ)
彼の猫好きは健在だ。
この子のお陰で、カールがただ怖いだけの人じゃないと分かったものの、未だに違和感は拭えない。熊みたいな巨体に手のひらサイズの仔猫が乗っかっているのだから、尚更。
「努力はします。だけど、さすがにキャパオーバーで」
「限界は超えてこそ! それでこそトレーニング! そのためのトレーニング、だろう! さあ、もう一度走るぞ! 今度は先程の倍の距離を――――」
「カール! 俺の婚約者をいじめるなよ」
ため息交じりの声音。クララの心臓がトクンと鳴る。
振り返れば彼女の婚約者――――コーエンことフリードがそこに居た。
「コーエン!」
「ただいま、クララ!」
コーエンは微笑み、クララのことを抱き寄せる。ふわりと漂う汗の匂い。絶対、コーエンにもバレている。焦って身を捩れば「ダメだよ、クララ」と言って、コーエンは殊更クララを抱き込んだ。
カールはクララから仔猫を取り上げ、フンと大きく鼻を鳴らす。どうやら仔猫がクララを選んだことが不服だったらしい。真剣な表情を浮かべつつ、仔猫に頬擦りをしている。
(にゃんこを愛でながらそんなことを言われてもねぇ)
彼の猫好きは健在だ。
この子のお陰で、カールがただ怖いだけの人じゃないと分かったものの、未だに違和感は拭えない。熊みたいな巨体に手のひらサイズの仔猫が乗っかっているのだから、尚更。
「努力はします。だけど、さすがにキャパオーバーで」
「限界は超えてこそ! それでこそトレーニング! そのためのトレーニング、だろう! さあ、もう一度走るぞ! 今度は先程の倍の距離を――――」
「カール! 俺の婚約者をいじめるなよ」
ため息交じりの声音。クララの心臓がトクンと鳴る。
振り返れば彼女の婚約者――――コーエンことフリードがそこに居た。
「コーエン!」
「ただいま、クララ!」
コーエンは微笑み、クララのことを抱き寄せる。ふわりと漂う汗の匂い。絶対、コーエンにもバレている。焦って身を捩れば「ダメだよ、クララ」と言って、コーエンは殊更クララを抱き込んだ。



