結論から言うと、私は彼らの職業である王宮騎士団の筆頭騎士という立場を完全に舐めていた。

 この森に棲む魔物たちは、ごく当たり前の事なのかもしれないんだけど木に属している魔物が多いようだった。

 クレメントが何やらぶつぶつと呪文を呟き、次々と放たれる無数の火の玉や激しい炎を纏う剣で繰り出される技は凄まじい。

 リーズが一人での任務は筆頭騎士の彼であればと推薦したのに、コンスタンス様が渋っていた理由は、私と彼の関係性だけだということはよくよく理解した。

 複数の魔物が相手だったとしても、すぐさま対処してしまえるくらいにクレメントの強さは本当に圧倒的だった。特攻だと言っていたし、魔物との相性の問題もあるんだろうけど。