割れてしまった鋭いガラスの破片が部屋中に飛び散るかと思われたけれど、室内だと言うのに強風が吹き、窓がある側の白い壁に幾つもの破片が飛び散った嫌な音がした。

 多分だけど、大きな船を動かせる程の風量を巻き起こす事の出来る人が守ってくれたんだと思う。

「……これは、これは。レジュラスの王城へようこそ。東の地ソゼクの族長の息子プルウィット・ハーディ。ちょうど僕も、君に会って話をしたいと思っていたんだ」

 飛び込んで来た男性を見て、背後に何人かの騎士を引き連れたコンスタンス様の面白げな声が響いた。