お互いの気持ちを通い合わせることが出来て付き合うことになった私たち二人が、文字通りにあれよこれよとしている間に、王太子であるコンスタンス様とその婚約者ラウィーニアの安全を考慮して、私たちは滞在する期間を切り上げて王都へと戻るという判断になった。

 そうして、帰って来てから早々に、ランスロットは私の父親であるハクスリー伯爵に会うことを希望した。付き合ってから、少し経ってからが良いんじゃないと私が言っても頑なに。

 正式に父へと面会を希望する手紙を送り、双方の予定を合わせて一週間。

 現在、私たちは父の書斎にて、二人掛けのソファの隣同士に腰掛けており、完全に結婚を報告する様子となっている。

 父は、私たちから「なるべく早く婚約したい」と聞かされて、なんとも言い難い微妙な表情をしている。

 何故かと言うと、やっぱり……彼に告白されてからすぐに疑った私のように、父も疑っているんだと思う。、