「あ。そうなんだ。やっぱり。私、ディアーヌはクレメントとは、いずれ別れると思ってた」

 母方の従姉妹で小さな頃から仲の良いラウィーニアは、歯に衣着せない言葉で終わったばかりの恋をあっさりと評した。幼い頃から気心の知れている彼女は、触れれば危険な失恋したての乙女に対しても全く遠慮などはない。

 付き合っていたクレメントに失恋して、ランスロット・グラディスにすぐに告白されたのはつい昨日の事だ。

 泣き明かす予定だった夜が、いつもと同じように明け、とてもすっきりとした気分で私は朝早く目を覚ました。

 そして、なんとなく習慣付いている日記の昨日の部分を読み返して、あの庭園での出来事が夢や幻ではないと確認した。その時にようやく色々と実感が湧いてきた私は、仲の良い従姉妹ラウィーニアに午後のお茶を一緒にしようと手紙を書いて呼び出すことにした。

 突然の失恋をしたばかりの私は、とっ散らかった心の整理などもまったく出来ていない。今自分が正常な判断が出来る状態であるとは、とても言い難い。

 冷静な第三者的な意見が必要であると、そう思ったから。