最強総長は姫を眠らせない。🌹


 ズキンッ。
 まるで頭の中で絡み合った(いばら)が眠りから覚めたかのような頭痛に襲われる。

「ッ…」

 倒れ掛かると(りゅう)くんが前から私を抱き止めた。

「おい、大丈夫か!?」

「ごめんなさ…頭痛が……」

「なるほど。そういうことか」

雪乃(ゆきの)!」
 美青(みお)ちゃんが駆けてきた。

美青(みお)ちゃ…」

「チッ、鬼雪(おにゆき)姫のおでましか」

「看板の裏を見たわ」
「立ち入り禁止の文字を見て驚いたわよ」
「まさか全国頂点の暴走族氷浦(ひうら)がこんな子供騙しな罠を仕掛けるなんてね」

 (りゅう)くんの顔がまるで氷のように強張る。
「それがどうした?」
「邪魔すんじゃねぇ、今すぐ消えろ」

雪乃(ゆきの)、今助けるからね」

「助けるだ? あー、うぜぇ鬼雪(おにゆき)姫だな」
 (りゅう)くんは私を離すと頭を撫でる。

「すまねぇが少しここで待ってろ」

 (りゅう)くんが背を向けると、
 私は特攻服の裾をぎゅっと掴む。

「やめ…て、お願い。今校外学習中だから…」

「悪いが俺はお前しか興味ねぇ」
 (りゅう)くんは私の手を振り払う。