でも、そのせいで。

 ど、どうしよう…。
 ドキドキが止まらない……。

 見つめ合った後、

「た、助けてくれて、あ、あ、あ、ありがとう」

 言葉を噛みながらお礼を言い、

「ねぇ、見て見て。あの紫髪の男の子かっこよくない!?」

 と歩く度に周りの女子達が騒ぐ中、(そら)くんと教室まで一緒に歩いて来た。

 (そら)くんといると目立ちたくないのに自然と目立ってしまう。

 だけど、
 (そら)くんと一緒に登校出来たことが、
 隣を歩けたのが嬉しくて嬉しくてたまらない。

 おまけに、(そら)くんが、めちゃくちゃ輝いて見えて、
 眩しすぎてもう直視出来ない。

 1年A組に着いた私は窓側の一番後ろの席で机に伏せ寝する。

「はぁ…」

 触れられた体が猛烈に熱くて、溶けてしまいそうだ。

(そら)、“義妹(ぎまい)役”、大変だな」
 クラスの男子の声が聞こえてきた。

「は? 義妹(ぎまい)役?」