あぁ、眠いなぁ。

 翌日の朝。駅から出た私は歩道を一人で歩いていた。

 空は晴れ、周りには木々やビルが建ち並んでいる。

 “私、(そら)くんのこと、一人の男の子として好き”

 昨日、そう自覚したら、
 余計に眠れなくなっちゃった。

 シャー。
 車輪が回り、軽やかに自転車を漕ぐ男子高校生が前から近づいてくる。

 あ、やば、体がふらついて…。

 後ろから誰かが駆けてくる足音が聞こえた。

 転がった空き缶を飛び越え、
 私を右腕で後ろから抱き、一緒に自転車を避ける。

 男子高校生は悪びれる様子もなく、スピードを落とさないまま自転車で走り去っていく。

「はー、危ねぇ」

 綺麗な紫髪。

 あ、今日はシャツの上にパーカー羽織って…。

 私達は見つめ合う。

 昼間はイケメン高校生。

 夜は総長の(そら)くんに
 恋をしました。