粉雪の中をバイクが走り抜けていく。

 今の私/中2の私が重なる。

 なんで離れないといけないの?
 やだ、やだよ。

「必ず俺が迎えに行くからな!!」
 (そら)くんは最後に光をくれた。

 だけど今回は約束しなかった。

 “俺が未来を変える。変えてやる”
 って言ってくれたのに、

 自分の未来を自分自身で潰した。

 バカな私。

 それでも守られた姫じゃなくて、

 君を、
 (そら)くんを守れるくらい強い姫になりたかったんだ。

 この先、朝起きても(そら)くんは隣にいない。

 私のことだから、ずっと(そら)くんのこと思い出して、
 暗闇のベットの上で一人、顔を隠して泣き続けるんだろうな。

 私は涙を(こぼ)しながら幸せそうに笑う。

 (そら)くんは離れても、私を眠らせてはくれない。