最強総長は姫を眠らせない。🌹


「スタートはそうだな、あのオレンジの線にしよう」
「1キロ先から走り、スタート線で100キロを超え」
「どちらがより岸壁近くで止まれるかで勝敗を決める」
「走行途中でバイクから落下したり、海に落ちたら即負けだ。いいな?」

「はい」

 周りの族達は震え出す。
「やべぇ、4代目と5代目のガチ勝負じゃん」
「こんな寒い冬の海に落ちたら死ぬぞ?」

 それって、今日が(そら)くんと過ごす最後の夜になるかもしれないってこと?
 絶対に嫌だ。
 命懸けの勝負なんて、させられない!

 私は後ろから腰にぎゅっと手を回す。
(そら)くん、絶対だめ」

雪乃(ゆきの)、大丈夫だ」

「でも!」

「俺は死なねぇよ。お前を絶対に一人にはしねぇ」
「だから早く降りろ」

 (そら)くんは私の手を振りほどく。

 あ……。
 本気、なんだ。
 それならもう、応援するしかない。

「私、(そら)くんの事信じてるから」
 そう涙目で強く言ってバイクから降りる。

(そら)、行くぞ」

「あぁ」

 (そら)くんは雪平(ゆきひら)さんとバイクで1キロ先まで向かう。