「スタートはそうだな、あのオレンジの線にしよう」
「1キロ先から走り、スタート線で100キロを超え」
「どちらがより岸壁近くで止まれるかで勝敗を決める」
「走行途中でバイクから落下したり、海に落ちたら即負けだ。いいな?」
「はい」
周りの族達は震え出す。
「やべぇ、4代目と5代目のガチ勝負じゃん」
「こんな寒い冬の海に落ちたら死ぬぞ?」
それって、今日が宙くんと過ごす最後の夜になるかもしれないってこと?
絶対に嫌だ。
命懸けの勝負なんて、させられない!
私は後ろから腰にぎゅっと手を回す。
「宙くん、絶対だめ」
「雪乃、大丈夫だ」
「でも!」
「俺は死なねぇよ。お前を絶対に一人にはしねぇ」
「だから早く降りろ」
宙くんは私の手を振りほどく。
あ……。
本気、なんだ。
それならもう、応援するしかない。
「私、宙くんの事信じてるから」
そう涙目で強く言ってバイクから降りる。
「宙、行くぞ」
「あぁ」
宙くんは雪平さんとバイクで1キロ先まで向かう。



