最強総長は姫を眠らせない。🌹


 黒髪でパーマをかけたショートボブ。
 赤いカラコン。
 左耳に雪ピアス。
 黒のロング丈ジャケット。

「おい、アレって……」
鬼雪(おにゆき)元4代目総長雪平柾(ゆきひらまさき)じゃね…?」

 周りの族達が慌ててひれ伏す。


「もう二度と会うことはないと思っていたが」
「まさかここで会うとはな」
(そら)


雪平(ゆきひら)さん…なんで…」

「亡き彼女が好きだったツリーを見に来た。悪いか?」

「いえ」

「…(そら)くん、亡き彼女って?」
 私はコソッと尋ねる。

「…氷浦(ひうら)との抗争で失ったんだよ」
 その答えを聞き、私は何も返せなかった。

「お前は彼女とデートか」

「はい」

 雪平(ゆきひら)さんは私を睨むように見つめる。
 私はゾクッとした。

「そういえばお前とは本気でやり合ったことは1度もなかったな」
族達(ギャラリー)もいるし、ちょうどいい。俺がお前の今の実力を見てやろう」

 え……。

鬼雪(おにゆき)を乗っ取って総長になったからには、さぞかし強くなったんだろうな?」

「本気でやり合えるくらいには」

「ほう。それは楽しみだ」
「ではバイク対決といこうか」

 喧嘩じゃなくて、バイク対決!?