宙くんは両目を見開く。
「親父、なんで…」
『バイト代だけでは足りないと思ってな』
『宙、お前は絶対俺みたいな大人になるな』
『雪乃ちゃんを幸せにしなさい』
宙くんは自ら電話を切った。
そして自分の両目を右手で隠す。
「宙く…」
「眠れなくしたくせに今更父親面すんなよ…」
宙くんのお父さんに逃亡資金振り込ませちゃった……。
私は明後日宙くんとデートして、そのまま約束の日が過ぎるまで逃亡しようって思ってた。
もう絶対に離れない、宙くんと幸せになるんだって。
だけど今回逃げ切れたとしても、ずっと宙くんのお父さんや宙くんに負担をかけることになる。
それは嫌だ。
だから、宙くん……、
ごめんね。



