最強総長は姫を眠らせない。🌹


 (そら)くんは、はー、とため息をつく。
「分かったよ、パスタ冷めるし一分だけな」
「ぜってぇ声出すなよ」

「うん」

 (そら)くんはスマホをスピーカーにして電話に出る。

『…やっと繋がった』
(そら)…元気か?』

 変わらない、(そら)くんのお父さんの穏やかな声…。

「あぁ。何の用だよ」

(そら)、お前は俺みたいな大人になりたくないって家を出て行ったな』
『その通りだと思う。本当にすまなかった』
雪乃(ゆきの)ちゃんだって好きであんな状況になった訳ではないのに』

 (そら)くんは切なげな顔をする。
「今更謝られたって遅ぇよ」

『…そうだな。雪さんに先に謝罪の電話をしたが同じ事を言われたよ』

『……雪乃(ゆきの)ちゃんと同居しているそうだな』

 お母さん、私の事話したんだ…。

「だったらなんだよ? もう親父には関係ねぇだろ」

雪乃(ゆきの)ちゃんが暴走族の姫になるのは明後日だったな』


『お前の通帳に逃亡資金を1000万振り込んだ。持って一緒に逃げなさい』