宙くんは、はー、とため息をつく。
「分かったよ、パスタ冷めるし一分だけな」
「ぜってぇ声出すなよ」
「うん」
宙くんはスマホをスピーカーにして電話に出る。
『…やっと繋がった』
『宙…元気か?』
変わらない、宙くんのお父さんの穏やかな声…。
「あぁ。何の用だよ」
『宙、お前は俺みたいな大人になりたくないって家を出て行ったな』
『その通りだと思う。本当にすまなかった』
『雪乃ちゃんだって好きであんな状況になった訳ではないのに』
宙くんは切なげな顔をする。
「今更謝られたって遅ぇよ」
『…そうだな。雪さんに先に謝罪の電話をしたが同じ事を言われたよ』
『……雪乃ちゃんと同居しているそうだな』
お母さん、私の事話したんだ…。
「だったらなんだよ? もう親父には関係ねぇだろ」
『雪乃ちゃんが暴走族の姫になるのは明後日だったな』
『お前の通帳に逃亡資金を1000万振り込んだ。持って一緒に逃げなさい』



