「あ、電話鳴ってるよ」
「知らねぇ」
あ、宙くん怒ってる!?
鳴り止まない電話。
「出た方がいいんじゃ…」
私はテーブルに置いてある宙くんのスマホの画面を見る。
え……。
宙くんは2つの皿にスパゲッティを盛り、パセリをちらすとフォークを1つずつ入れ、皿を2つ持って歩いて来た。
「宙くん、お父さんからの電話出ないの?」
「出ねぇよ」
「今日が初めてじゃないよね? 間違い電話って…」
「あぁ、何回もかけてきやがって。マジ迷惑なんだよ」
ほんとうに嫌そう…。
だけど、宙くんは私のお父さんの時、一緒にライブハウスまで行ってくれた。
だから今度は私が力になりたい。
「宙くん、一度でいいから出よう?」
「何それ、マジうぜぇわ」
う……でもめげない!
「でも、緊急の用かもしれないし…」
「親父はな、将来暴走族の姫になる雪乃とはもう怖くて一緒にはいられないって離婚切り出しやがったんだぞ?」
「うん、それでも私、久しぶりに宙くんのお父さんの声、聞きたい」



