お互いの手が離れると、美青ちゃんは春くんの元まで駆けていく。
宙くんも戻ると、スマホが鳴った。
「宙くん、電話?」
「あぁ、間違え電話だわ」
また? と思いつつも、
ほんとうは誰から? と聞くことが出来ない。
ヘルメットを被りシールドを降ろすと、
宙くんは前のシートに跨った。
「てめぇら、いくぜ!」
「オー!」
宙くんの一声に族達が叫び返す。
冬の星が輝く夜空の下で、黒のバイクが走り出した。
宙くん、私、
耀くん、あかりちゃん、
春くん、美青ちゃん、
親衛隊補佐、
特攻隊長、
奇襲隊長、
ケツ持ちの下っ端達のバイクがカッ飛ばしながら道路を走り抜けていく。
私は宙くんの背中で嬉し泣きする。
「雪乃、夜風、冷たくて気持ちいいだろ?」
「うん」
「連れて来て良かったわ」
表情が見えないのに分かってしまう。
宙くんが幸せそうに笑ってること。
今日は宙くんの誕生日なのに、
私がプレゼント貰ったみたい。



