「私を今すぐ連れて帰って」




 わしゃわしゃ。
 私は玄関で持っていたタオルで(そら)くんの髪を拭く。

「おい、俺の髪拭くな。自分の拭けよ」

「私はパーカーのフードで濡れてないから大丈夫…くちゅんっ」

「くしゃみしてんじゃねぇか。貸せ」
 (そら)くんは私のタオルを奪い、私の髪を拭く。

「…あの、(そら)くん」

「何?」

「同居前の続き、して欲しい」

「そんなおねだりの目で見んじゃねぇよ」

 ドサッ……。

 (そら)くんは唇を重ねる。
 私の顎を持ち、少し口を開けさせると、また唇を塞ぐ。

 あ……(そら)くんの甘い舌が入ってきて……。

 (そら)くんはもう、優しく絡んで離さない。

 不思議…幸せがあふれる。

 (そら)くんが唇を離すと、
 私達は強く抱き合う。

(そら)くん、ただいま」