私の胸がきゅっと痛む。

闇十字(やみじゅうじ)を潰した理由がお前の為だったとはな」

「…………」
 私は黙る。

「それで俺と別れる?」

「っ…」

「別れてどうすんの? お前、どこに帰んの?」

「それは…」

「お前はどこに帰りたいんだよ?」

 そんなの、決まってる。


「……(そら)くんとこ」


 (そら)くんは私をぎゅっと抱き締める。

「最初からそう言えよ」
「手、拒否(きょひ)んなよ」
「俺は掴んだのに」

「ごめん…なさい…」
「デートも誰にも言うなって脅されて言えなくてごめんなさい…」

「もう謝るな」

(そら)くん」

 私は(そら)くんの右手をぎゅっと掴む。