最強総長は姫を眠らせない。🌹


「……うん」
 短く答えると、

 (そら)くんは私の手を握るのを止め、
 私の左手の甲を退けて涙を指で優しく拭うと、
 自分の顔を左手で覆った。

(そら)くん…泣いてるの…?」

「泣いてねぇよ…」

 (そら)くんは、はー、と息を吐くと、左手を下ろす。

「――――雪乃(ゆきの)、お前が知らない真相、今から話すけどいいか?」

 え…知らない真相……?

「まだ何かあるの…?」

「あぁ」

 知らない真相ってことは、きっと良い話じゃないよね…。

「嫌なら無理強いはしねぇ」

「嫌…じゃないよ」
「むしろ聞きたい。話して」

「分かった」
 (そら)くんは覚悟を決め、話し始める。

「中2の夏、姫になる約束をした後」
雪乃(ゆきの)は気を失って倒れて」
「俺は雪乃(ゆきの)をおぶって、倒れそうになりながらも連れて帰った」

 あ、そうだったんだ……。

「そしたら、お前のお袋と俺の親父が仕事から帰って来ていて」
「俺は雪乃(ゆきの)を下ろすと力尽きて倒れた」

 え……。

「それで気づいたら病室のベットで」
「お前のお袋から雪乃(ゆきの)と一緒に救急車で運ばれたことを聞いてびびったわ」