「……うん」
短く答えると、
宙くんは私の手を握るのを止め、
私の左手の甲を退けて涙を指で優しく拭うと、
自分の顔を左手で覆った。
「宙くん…泣いてるの…?」
「泣いてねぇよ…」
宙くんは、はー、と息を吐くと、左手を下ろす。
「――――雪乃、お前が知らない真相、今から話すけどいいか?」
え…知らない真相……?
「まだ何かあるの…?」
「あぁ」
知らない真相ってことは、きっと良い話じゃないよね…。
「嫌なら無理強いはしねぇ」
「嫌…じゃないよ」
「むしろ聞きたい。話して」
「分かった」
宙くんは覚悟を決め、話し始める。
「中2の夏、姫になる約束をした後」
「雪乃は気を失って倒れて」
「俺は雪乃をおぶって、倒れそうになりながらも連れて帰った」
あ、そうだったんだ……。
「そしたら、お前のお袋と俺の親父が仕事から帰って来ていて」
「俺は雪乃を下ろすと力尽きて倒れた」
え……。
「それで気づいたら病室のベットで」
「お前のお袋から雪乃と一緒に救急車で運ばれたことを聞いてびびったわ」



