私が落ち着いた頃には花火は終わっていた。
 行きと同じで(そら)くんの黒いバイクの後ろに乗り、マンションに向かう。
 すると前から白いバイクが走ってくる。

 え、(りゅう)くん!?

 (そら)くんが危ないと思いバイクを停めると、
 氷浦(ひうら)の特攻服を着た(りゅう)くんも隣でバイクを停めた。

「…まさか姫がこんなに美女だったとはな」
「…文化祭、楽しみにしてるぜ」
 (りゅう)くんが凍るような怖い顔でボソッと呟くと、

 (そら)くんは鬼の形相で宣誓布告をする。


「…てめぇにだけは絶対雪乃(ゆきの)は渡さねぇよ」