「でも俺はあいつを守らねぇといけねぇ」
「…うん」
「宙の本当の気持ち聞けて良かった」
「ありがと」
美青は泣きながら笑う。
ポトッ。
ふたつの線香花火が同時に落ちた。
小雨が降ってくる。
「え、雨!?」
あかりが驚く。
「砂浜の海の家は閉まったけど」
「階段上がったとこの海の家はまだやってるから行こう」
「…って、あれ? 雪乃ちゃんは?」
耀くんが尋ねる。
「花火取ってくるって…なんで戻って来てねぇんだ?」
春が慌てると、
「俺が目を離してた隙に…クソッ!」
「春、耀、あかり達を連れて先に避難しろ」
「俺は雪乃を探しに行く」
「おう」
「分かった」
ダッ!
宙は走り出す。
「そんな遠くには行ってねぇはず…」
「!」
転がった左右の靴が浜辺に落ちていた。
「これ、雪乃の靴…」
宙は靴を拾い、岩が多い場所まで駆けていく。
「宙、久しいな」



