最強総長は姫を眠らせない。🌹


「でも俺はあいつを守らねぇといけねぇ」

「…うん」
(そら)の本当の気持ち聞けて良かった」
「ありがと」
 美青(みお)は泣きながら笑う。

 ポトッ。
 ふたつの線香花火が同時に落ちた。

 小雨が降ってくる。

「え、雨!?」
 あかりが驚く。

「砂浜の海の家は閉まったけど」
「階段上がったとこの海の家はまだやってるから行こう」
「…って、あれ? 雪乃(ゆきの)ちゃんは?」
 耀(よう)くんが尋ねる。

「花火取ってくるって…なんで戻って来てねぇんだ?」
 (しゅん)が慌てると、

「俺が目を離してた隙に…クソッ!」
(しゅん)耀(よう)、あかり達を連れて先に避難しろ」
「俺は雪乃(ゆきの)を探しに行く」

「おう」

「分かった」

 ダッ!
 (そら)は走り出す。

「そんな遠くには行ってねぇはず…」
「!」

 転がった左右の靴が浜辺に落ちていた。

「これ、雪乃(ゆきの)の靴…」
 (そら)は靴を拾い、岩が多い場所まで駆けていく。


(そら)、久しいな」