しゅるっ。 私は紫色のリボンハチマキをほどき、 髪を後ろでポニーテールに結ぶ。 「私は大丈夫」 宙(そら)くんに笑いかけると、 「俺が大丈夫じゃねぇ」 強く抱き締められた。 あ、宙(そら)くんの上半身が当たって…。 過去を思い出す度、宙(そら)くんが遠くなる。 私は琉(りゅう)くんの姫になると約束していて、 だからこんなのダメなのに。 分かってるのに。 私は宙(そら)くんに両腕をぎゅっと回す。 私、離れたくない。 叶うことならずっと、このままでいたい。