「おおっと、花城さんに何やらハプニングが起きた模様だ!」
「白団、赤団、黄団、青団、抜かしていくぞ!」
生徒会長がマイクで解説する中、
中2の夏に宙くんに手を引かれて逃げている映像が頭の中で流れた。
なんで今、思い出すの?
やめて、もう流れないで!!
ふっ…。
意識がなくなりかけた時、
「雪乃! 俺を見ろ!!」
宙くんの叫び声が頭の中に響く。
私はハッとし、意識がはっきりする。
まるで背中に翼が生えたかのように走るスピードが上がっていく。
私はバトンを持った右手を伸ばす。
パシッ。
あ、宙くんにバトン、渡った。



