「さすが美青(みお)、野菜切ってんのに美しいな」
「あかりはペスカトーレ作りの時、ペロって舌出してんぞ笑」

「わー! (しゅん)やめてー!!」

(しゅん)こそ(まき)に火つけてる時、墨で顔黒いじゃん」
 美青(みお)ちゃんにそう言われた(しゅん)は黙る。

「お肉切ってる耀(よう)くん、かっこいいね」
 私がそう言うと、

「うん! かっこいいの!!」
 あかりちゃんは全力で褒める。

 耀(よう)くんは、にこっと笑う。
雪乃(ゆきの)ちゃん、あかり、ありがと」

 あかりちゃんはボッ! と顔を赤らめる。
「あ、うん」

 それを見て私は微笑むと、あかりちゃんがコソッと聞いてきた。
「…ゆきのん、もしかして私の気持ちバレてる?」

「…あ、うん」

「…いつからか聞いてもいい?」

「…髪の赤リボン結び直してもらってた時からかな」

「!!」
 あかりちゃんは物凄く驚く。
「…そっか、な、内緒で」

「…うん、内緒」