なんで離れないといけないの? やだ、やだよ。 私達はお互いの頬に両手で触れる。 「月籠(つきかご)高校で会おうな」 「うん」 中2の夏の終わり。 私は玄関の前で義兄の宙(そら)くんと約束した。 だけど、高校1年生になった今でも、まだ会えていない。 暗闇のベットの上で一人、両手で顔を隠して泣くだけ。 「宙(そら)くん…どこ?」 「会いたいよ…」 宙(そら)くんは今日も、私を眠らせてはくれない。