春待ち遠し〜短編集〜

『子供は?』


『あっちに親権。アタシじゃあ経済的に苦しかったから。』

優子はビールを口に入れる。


『最近なの?』

『いや、生まれてすぐだったから。』

優子は吹っ切れた表情で話す。


『もう、いいでしょ?こんな話、さ。飲もうよ、タケ。』


辛気臭い雰囲気は大嫌いだった優子。