「徹平君、あのね⋯」

わたしは徹平君に、中学時代、実の父親に犯され、妊娠し、中絶した事、母親に『人殺し』と言われ、水子供養をさせてもらえなかった事、全てを話した‐。

わたしから全て話を聞くと、徹平君はわたしを抱きしめてくれた。

「つらかったね…、これからは俺がいるから大丈夫だよ」

水子供養は、中絶直後ではないけれど、供養をしてくれるお寺をネットで見つけた。

当日、わたしは徹平君と一緒に、水子供養をしてくれるお寺に行った。

いくら支払えばわからないわたしたちに、

「気持ちですから」

そう言ってくれた。

こうしてわたしたちは、6年の時を経て、あの時の赤ちゃんの供養をする事が出来た‐。