「どうしたの?」
机から頭を上げない私を心配したのか愛美が声をかけてきた。
「はぁー、今日は運が悪かった。」
「あー、星占い当たってた?今日、莉優最下位だったもんね。」
やっぱりね、そうなんだ....。
愛美、毎朝星占いチェックするタイプなんだ。
知らなかった。
まぁそんなことはどうでもいいか。
私のダッシュした分のエネルギーを返してほしいわ。
「で、何があったの?」
「雅先輩、お休みだった.....。」
今日1日どう頑張ったらいいの?
雅先輩に会えないとか無理なんだけど!
「雅先輩どうしたの?」
「風邪だって.....。昨日元気だったのに。」
「雅先輩だって人間なんだから風邪だって引くでしょ。」
雅先輩は人間じゃないわ。
あんな尊い人が同じ人間だとは....。
「いや、人間だから出会えたんだもんね。」
「何わけのわからないこと言ってるの?」
ゆっくり顔を上げると愛美が呆れたような顔をした。
見慣れた顔だから驚きもしないけど。
「もう帰ってもいい?」
「ダメに決まってるでしょ。」
ですよね....。
雅先輩、明日も休みかな.....。
「地獄......。」
想像しただけで、こっちが熱出そうだわ。
そんなことを思ってると.....。
「えー!いいなぁ!」
廊下の方から少し高めの女子の声が聞こえて来た。
「どうしたんだろ?」
愛美も不思議に思ったらしく廊下に視線を向けた。