テストは高校生になってから大嫌いでしかなかった。
何も生まれないし、自分のできなさに呆れて悲しくなるばかりで。
だけどりっくんと勉強をしていて、勉強が楽しいと思ってた頃を少しだけ思い出せたし、早く成果としてテストを受けたいって思ったの。
テスト期間なんていつも憂鬱で早く過ぎればいいって思ってたのに、りっくんパワー、恐るべしだよ。
幸せ、だなんて大袈裟?だけど楽しかったし、数字の皆さんとは友達になれたし、毎日りっくんを拝めて推しポイントは上がっていって……たまに、戸惑ったけど。
「……ごめんね、なんか手止まっちゃってた」
「わかんないわけではない、よね?一週間で俺よりできるようになったんじゃない?」
「ないない!それはないよ!でもりっくんの教え方が上手くて数学が楽しくなったよ」