わたしの推しはオオカミ王子さま



ワクワクるんるんしながら紙の蓋にストローをブッ挿そうとしたところで、

私の空間にその声が侵入してきて声にもならない声が出てビクッと肩が揺れた。


いつの間に、この汐架ワールドに足を踏み入れたのか、手に取ったいちごオレに集中しすぎて全然気がつかなかった。



優しく語りかけるような声とともに、私の前にしゃがみ込んで視線を合わせてくるのは正真正銘私の推し様王子様、りっくんで______相変わらず太陽より眩しく発光なさっているわけですが、なぜここにいるのか全然理解できずにいます。




「驚かせちゃってごめんね?蓮見、全然気づかないから」


「えと……いちごオレに集中してたっていうか……なんていうか……」


「うん、見てたよ。幸せそうに見つめて、いちごオレと喋りだすかと思った」