わたしの推しはオオカミ王子さま



りっくんの手が背中から、私の頬へ移動して優しく触れる。

私の頬が熱いのか、りっくんの手が冷たいのか、わからないけどその差にびくっと体が反応する。

顔だって、自分以外に触る人いないんだよ。




「汐架が俺の背中に手を回してくれるまで、しない」




ふわっとゆっくり私の体がりっくんから離れて、解放される。

やっと離れて、もう爆発寸前だった私の心臓は救われたはずなのに、何かモヤモヤする。


離れちゃった、なんて残念そうにする自分が頭に浮かんで急いで消すように頭を振った。



私、なんでいまりっくんと二人で放課後の教室にいるんだっけ。

勉強のことなんて忘れちゃうくらい、いまのりっくんは刺激が強すぎる。