わたしの推しはオオカミ王子さま




聞いたこともない、吐息まじりの声が甘くて。

いつもより、一つトーンを落とした低い声。


息がかかった耳から、さらに甘い熱が全身へ伝染していく。



「……ねえ、汐架?」




この状況だけでも爆発してしまいそうなくらいドキドキしてるのに、名前を呼ぶなんて反則すぎる。

いつもと違うりっくんに、この体勢、言葉、どうしたらいいの。私をどうしたいの、りっくん。


意味わかんないくらい、信じられないくらいドキドキ心臓が鳴ってるの。


こんなの初めてだよ、どうしたらいいの。




「……ち、近いよ、りっくん」




何から処理したらいいのか、わからない。


とりあえず、離れてほしい。離れてくれないとこの距離なだけで心臓止まりそうなくらいドキドキしちゃうんだもん。ほのかに香るシトラスに、魂をとられてしまう。